恋するplants


 「できたよ」


 キッチンにいるよもぎさんがソファに座ってゲームをしている私たちに声を掛けた。


 ケチャップの甘酸っぱい、食欲をそそるいい匂いがする。


 ダイニングテーブルに近づいて、お皿を運ぶのを手伝う。


 今日のメニューはナポリタン。


 サラダとオニオングラタンスープ付き。


 檜さんは食器棚から人数分のグラスを持ってきた。


 まるで自分の家のようにどこに何があるかわかるらしい。


 4人でテーブルに着いて、いただきますと手を合わせる。


 はたから見たら不思議な4人組かもしれないけど・・・。


 「おいしいです!」


 くるりとフォークにスパゲッティを巻き付けて、口に入れると、ケチャップの風味がひろがる。


 う~ん、アルデンテ!


 よもぎさんの作ったナポリタンはお店に出してもおかしくないくらいのおいしさだ。


 「ホント?よかった~」


 「な?食べて良かっただろ?」


 檜さんが口の周りにケチャップをつけて、私に訊いてきた。


 「はい。喫茶店のナポリタンです!」


 「誉めすぎじゃね?」

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