恋するplants


 料理が運ばれ、お酒も進むと主催者の男の人が立ち上がり、無理矢理、私の隣に入りこんできた。


 「いや、噂に聞いてたけど、茉雪さん、超美人だね。マジ、来てくれてありがとう!」


 銀行員だという彼はすでに顔を真っ赤にして、私の手を握ってきた。


 酔っ払ったオヤジか!


 愛想笑いを浮かべて相槌を打った。


 「おい、お前、手握るのは反則だろ?俺もぼたんちゃんの隣行っちゃうもんね~」


 向かいの席に座る男の人が立ち上がった。


 彼は隣に座る麻田さんを押しのけ、私の隣に座った。


 「ちょっと、痛いんだけど~」


 麻田さんがイラッとした表情を見せた。


 ゴメン、ゴメンと言いつつも彼は悪そうな表情はしていない。


 最悪・・・


 「麻田さん、良かったら俺の隣に来なよ。一緒に飲もう」


 一番端の席に座る池見先生が声をかけると、きゃ~蓮くんに誘われちゃった!と甘ったるい声を出して、麻田さんは移動して行った。




 いつの間にか、合コンは1対3と3対1の2つのグループに分かれてしまっていた。


 私を取り囲む3人の男のグループと池見先生を囲む麻田さんたちのグループ・・・合コンってこんなものなのかな・・・

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