恋するplants


 「麻田さんたち遅いね」


 池見先生がようやく口を開いた。


 「私、見てきます」


 立ち上がるとそそくさと部屋を後にした。


 気まずくて部屋にいたくなかったのだ。



 
  ★



 
 麻田さんたちは化粧台の前に3人並んで、お化粧を直していた。


 声をかけようと一歩踏み出した。


 「あさだ・・・さ・・・」


 「茉雪ぼたんってさ、一体何なの?」


 突然、麻田さんの隣の子が鏡に映った自分の顔をチェックしながら訊ねた。


 自分の名前が聞こえ、私は思わず隠れた。


 「男に囲まれてさ、調子乗ってるよね。千草なんであの子呼んだの?意味わかんねぇし」


 話し方がいつもと違う。


 それに、私の悪口言ってる?


 「しょーがないでしょ。合コンの条件が茉雪ぼたんを連れてくることなんだから」


 「え~、そうだったの?超、つまんねぇし」


 「見るからにいい子ぶっててムカつくし」

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