恋するplants
恋愛すらまともにしてないし・・・私、このままでいいのかな?デートに向かう2人を見送って、暫らくボーと考えていた。
いけない、ナーバスになってる。
気分を変えなくてはと席を立ち、飲み終わったカップを返却口に返した。
店をでようとしたところで店に入って来ようとした蓮と偶然にも鉢合わせした。
「蓮?」
思わず声を掛ける。
この辺って蓮の学校の近くだっけ?ずいぶん離れてる気が・・・蓮の家とも逆方向だし。
ぐるぐると質問が湧いてくる。
「・・・ぼたん」
蓮は驚いたように首をすくめた。
何か、気まずそう?そう思った時、
「待ってよ、蓮」
後から女の人が駆け寄り、蓮の腕に両腕を絡ませた。
小柄でアイメークばっちりで、グロスでつややかに光ったアヒル口。
くるくるにウェーブのかかった髪を垂らし、彼女は私を見上げた。
見覚えのある顔だ。
蓮の部屋で見つけた写真に写っていた女の人だと確信した。