恋するplants


 「で、今度の日曜に僕が茉雪の彼氏のふりをして一緒に遊園地に行って欲しいってワケだ」


 「そうなの。お願い」


 事情を話すと私は顔の前で両手を合わせて頭を下げた。


 秋川に頭を下げるのは初めてのことかもしれない。


 「で、スペシャルランチとデザートで僕を釣ろうと・・・」


 「もちろん遊園地代も私が持つから」


 「別にいいけどさ・・・」


 「ホント?ありがとう。助かる~」


 秋川はじゃこれは遠慮なくいただきますと言うとビーフシチューに手を伸ばした。


 「池見先生と連絡取ってたとは知らなかったな。高2の時のイケメン教育実習生だよね?」


 「うん、ちょっと、麻田さんと行った合コンで偶然会って・・・」


 「え?合コン行ったの?しかも麻田さんってギャル系の子だろ?仲良かったっけ?」


 秋川は私の言うことにいちいち驚いた。


 私は首を横に振り、麻田さんと仲がいいのは否定した。


 あの合コンの日以来、麻田さんとは話していない。


 向こうも何も言ってこないからきっと私に対して気まずい思いをしているんだと思う。


 「茉雪も何でそんな見栄張っちゃったの?」
 
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