恋するplants


 「いいじゃな~い、2人ともお似合いよ。今日の服もペアルックだし、妬けちゃうな~」


 百合さんはニコニコしながら秋川の携帯を差し出した。


 一番、触れて欲しくないところを突かれてしまった。


 遊園地に行くから動きやすい格好と防寒と思ってネルシャツワンピにファーのベスト、ムートンブーツのコーディネートで来たら、秋川も同じような赤のチェックのネルシャツにダウンのベストを合わせ、チノパンの足元にはムートンブーツを履いていた。


 会った瞬間、あっとお互い顔を合わせたが、はたから見たらペアルックだ。


 恥ずかしい過ぎる~。


 蓮はいつもと変わらない笑顔で私たちを見ている。


 「何から乗ろうか?」


 園内のパンフレットを片手に百合さんが蓮の腕に腕を通した。


 「何すんの?」


 「いいじゃん、折角、遊園地に来たんだから腕くらい組んだって」


 蓮が腕をほどくと百合さんは子供みたいに拗ねた。


 蓮はやれやれと言った表情になり、巻きついた腕をそのままにアトラクションへ向う。


 こんな風に彼女のペースで蓮はデートを重ねているのかもしれない。


 女の人の扱いに慣れている蓮は「付き合っていない女の子」でもキスしたり、もしかするとそれ以上のこともしているのかもしれない。


 何か考えると暗くなってきた。

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