恋するplants
「お腹すいちゃったね。ホットドッグでも食べようか?」
ダブルデートは終始、百合さんが主導権を握っていた。
園内に設けられたバン型の売店を見つけると百合さんはそう決定した。
売店の前に設置されたパラソルのついた4人掛けのテーブルに腰を下ろし、ランチを取ることになった。
ホットドッグやフライドポテト、ジュースなど好みのものを買ってそれぞれ席に着くと、早速百合さんがホットドッグを片手に蓮の口元に押し付けた。
「蓮、あ~ん」
「やめろって、子供じゃないんだから」
百合さんが食べさせようとしたところで蓮は照れながら拒否した。
百合さんはしゅんと下を向き、いいじゃないとしょげた。
気まずい雰囲気になりそうだったので、
「いいじゃない、せっかくキレイな百合さんにあ~んしてもらえるんだから。秋川にもあ~んしてあげようか?」
斜向かいに座る蓮に、明るく笑いかける。
隣の秋川の口に無理矢理ホットドッグを押し込み、秋川がむせたところで、蓮が堪え切れず噴出した。
「丸呑みさせられるかと思った・・・」
秋川がジュースで口の中のものを流し込むと、咳込みながら答えた。
ごめん、ついやり過ぎちゃったけど、場の雰囲気は和んだから良かった。
秋川がジュースを飲み干してしまったので、新しいのを買おうと席を立った。