恋するplants


 お茶を飲みながら、青白い顔をした秋川が訊いてきた。


 「そうかな・・・」


 曖昧に答えるも秋川は私が百合さんを苦手なタイプだと察してるに違いない。


 「あの2人、付き合ってるワケじゃないんだね」


 秋川は空へと上っていくゴンドラを眺めてた。


 そんな秋川の中性的な横顔を見る。


 「・・・百合さんは池見先生のこと狙ってるみたいだけど」


 「茉雪が嘘を吐く必要なんて無いじゃないか」


 「そうだよねぇ・・・あの時、何であんなこと言っちゃったんだろう・・・」


 (ぼたんに似合ってると思うよ)


 蓮にさっき言われたことを思い出した。


 私は今まで1度も彼氏がいるとか好きな人がいるとか蓮に話したことないのに、咄嗟の嘘を信じちゃうなんて。


 蓮は私が彼氏いるのに平気で男の人の家に泊まりに行くような子だと思ってたのかな。


 そういえば、蓮から恋愛については何も訊かれたことなかったな。


 それって私に興味ないってことだよね。


 蓮にとっては私もたくさんいる女友達の一人で・・・


 「・・・ねぇ、私たちこのまま、付き合ってみようか?」

< 358 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop