恋するplants


  ホットケーキを含んだまま、秋川の顔をマジマジと見つめた。


 「池見先生から聞いてない?一緒に飲み行った時に池見先生の携帯に連絡が来て、お兄さんが交通事故に遭ったって」


 「うそ?」


 そんなこと一言も聞いてない。


 しかも、蓮とも遊園地に行った日から連絡を取ってなかった。


 「池見先生、慌てて実家に戻ってさ。結局その日はそれで終わったんだけど、昨日、連絡来て、幸い怪我で済んで、命の別状はなかったみたいだって」


 

  ★



 秋川の家を出て大通りに出ると蓮の家の方へと向かうバスに乗り込んだ。


 蓮の携帯に何度も連絡してみたけれど電源が切られているみたいで、全然繋がらない。


 何でこんなに不安何だろう?バスが海岸通りを走っている間、そわそわして仕方がなかった。


 何でこんなに私、必死になってるんだろう?


 海岸の前にぽつんと立つバス停でバスを降り、小さく前に見えている蓮の住む一軒家に向かって全力疾走した。

 
 車庫に蓮の愛車であるミニ○ーパーが止まっている。


 よかった、家にいるみたい。


 真っ白な息を切らしながら玄関のステップを駆け上がる。


 呼び鈴を何回も鳴らしたけど、応答はなかった。


 ・・・留守、かな?でも・・・



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