恋するplants
「やめて、飲みすぎだよ」
蓮の口元から瓶を取り返す。
口元からこぼれた赤ワインを蓮はシャツの袖で拭った。
「・・・ほっといてくれる?」
ぼそりと蓮が呟いた。
引きつったような笑いを浮かべて、私を見る。
「ぼたんはさ、何で俺がぼたんのこと気にかけたと思った?」
「え?」
蓮はぐっと力を入れて、私の腕を掴んだ。
細腕なのに意外と力強い。
痛い。
じっと突き刺さる視線に逃げたくなった。
「夏の合コンで・・・居心地悪そうで、でも笑ってて、他の女の子たちに陰口言われても冷静に繕って・・・」
見られてた。
というか、蓮は全部見抜いてたんだ。
麻田さんに頼まれて乗り気じゃないのにあの場に行ったことも、楽しめなかったのも。
「可哀想になって来ちゃって・・・教室にいる時も周りに合わせて無理してるぼたんが寂しそうって思った・・・」
「同情してたの?クラスに馴染めなくて、可哀想な子だって・・・」