恋するplants
「・・・檜さんに彼女がいるって知ったら興味ない?・・・私1人じゃ緊張するもん」
「檜さんとお近づきになれるなら行きたいけど・・・」
「行きたい、行きたい!」
ゆかりが机を乗り出して片手を上げた。
こうして私たち3人は憧れの高校生と仲良くなるために柏のサッカーの試合へと繰り出すことになった。
12月の第2日曜日。
私たちは○○駅前からバスに乗って市営のグラウンドへやってきた。
すっきりと晴れた空に向かって白い息を吐く。
外で応援するので、コートに手袋に耳あて、完全防備だ。
駐車場を突っ切って、人の集まる方へ向かうとグラウンドの応援席の入り口によもぎさんと檜さんの姿を発見した。
「おはようございます」
ゆかりとエリカを引き連れて2人のもとに駆けていくと、檜さんがにっこりと白い歯を見せて笑った。
「おはよう、ちえりちゃん。今日は友達も一緒なの?」
檜さんが私の後ろを覗くように見るとエリカが照れて下を向いた。
「こっちの背の高い子が林エリカ、ツインテールの子が竹田ゆかりです。2人とも同じ中学で同じクラスの友達です」