恋するplants
星1つ出ていない空を眺めながら息を吐いた。
車の往来すらない。
道の向こう側から誰かの息使いが聞こえる。
走っているみたいだ。
誰かジョギングでもしれるのだろうか?
もしくは変質者?
急に怖くなり膝を抱えて小さく丸まった。
足音と息遣いが近づいてくる。
私は目をつぶった。
やがて、足跡は私の前で止まり、苦しそうな息遣いが聞こえる。
目の前に誰かいる。
私はおそるおそる目と開く。
足元を見た。
サンダルとスニーカーをちぐはぐに履いている。
視線を足元から上に流す。
細身のスーツのズボン、だらしなく出ているYシャツ、寝癖だらけの頭。
「蓮・・・何で」
目の前に蓮が立っていた。