恋するplants
「ぼたん」
蓮が私の名前を呼んだ。
「・・・すみません。結構です」
運転手は呆れた顔をしてドアを閉めた。
バスはブロロロ・・・とエンジン音を鳴らして暗闇に去って行った。
「ぼたん?」
蓮がまた私の名前を呼んだ。
「・・・私は蓮のことが好きだよ。本当は夏に再会時から惹かれてたの。でも、恋愛に臆病になってて自分でも全然気付かなかった。それ位、鈍感なの、私は。悪い?」
蓮に背を向けたまま叫ぶように言い放った。
せっかく止まった涙がまた溢れそうになる。
蓮は何も言わない。
これ以上、私をみじめにさせないでよ・・・
「ゴメン」
後ろから蓮にぎゅっと抱きしめられた。
うなじに蓮が顔を埋めて囁いた。
「ゴメンね。ぼたん・・・愛してる」