恋するplants
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蓮の家の2階にあるバスルームは広々をしたスペースになっている。
浜辺を一望できるパノラマビュー。
大きな円型の浴槽はジェットバスになっていて、ボタンを押すとあっという間にバブルバスに変身した。
ぶくぶくと泡立つお風呂を覗きながら、浴槽の近くにあるリモコンに手を伸ばした。
電気が消えるボタン、浜辺が一望できる窓に一瞬でスモークがかかるボタン、壁側にあるテレビがつくボタン、スピーカーから音楽が流れるようになっているボタン、一通りいじっていたらくしゃみが出た。
体はすっかり冷え切っていた。
バスタオルを巻いたままゆっくりと足をバスタブの中に入れた。
お湯に浸かるとゆっくりと体がほぐれていく気がした。
極楽、極楽。
「ぼたん、入るよ」
ドアの向こうで蓮が呼ぶ声がして、慌てて電気を消した。
返事をしていないのに、ドアが開く音がした。
「何、真っ暗にして、何も見えないじゃん」
「見えない方がいいの」
照れながら答えると蓮が静かに笑う声がした。
蓮が部屋を出て行く音がしたと思ったら、片手にアロマキャンドルと持って現われた。