恋するplants


 ★

 
 蓮の家の2階にあるバスルームは広々をしたスペースになっている。


 浜辺を一望できるパノラマビュー。


 大きな円型の浴槽はジェットバスになっていて、ボタンを押すとあっという間にバブルバスに変身した。


 ぶくぶくと泡立つお風呂を覗きながら、浴槽の近くにあるリモコンに手を伸ばした。


 電気が消えるボタン、浜辺が一望できる窓に一瞬でスモークがかかるボタン、壁側にあるテレビがつくボタン、スピーカーから音楽が流れるようになっているボタン、一通りいじっていたらくしゃみが出た。


 体はすっかり冷え切っていた。


 バスタオルを巻いたままゆっくりと足をバスタブの中に入れた。


 お湯に浸かるとゆっくりと体がほぐれていく気がした。


 極楽、極楽。


 「ぼたん、入るよ」


 ドアの向こうで蓮が呼ぶ声がして、慌てて電気を消した。


 返事をしていないのに、ドアが開く音がした。


 「何、真っ暗にして、何も見えないじゃん」


 「見えない方がいいの」


 照れながら答えると蓮が静かに笑う声がした。


 蓮が部屋を出て行く音がしたと思ったら、片手にアロマキャンドルと持って現われた。

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