恋するplants


 「いつも完璧な蓮がカッコ悪い」


 唇を離すとそう呟いた。


 悪かったなと蓮は悔しそうな表情をする。


 「カッコ悪くていい。寝癖ついてても、やけ酒しても、靴がちぐはぐでも、弱いところを見せて。人間らしい蓮の方が好き」


 蓮ははにかむように笑った。




 ゆらゆらと揺れるキャンドルの炎を見ていた。


 蓮が後ろからぎゅっと抱きしめてくれている。


 細身なのに筋肉が程よくついた体を背中に感じる。


 心地良くてこのまま眠ってしまいたかった。


 「今思えば、教室にいるぼたんを一目見た時から運命感じたのかも。この子と俺は似てるって思った。クラス委員長でみんなに慕われてるのに、壁を作って遠ざけてるような感じ」


 そうなのかな。


 自分では意識したつもりはなかったけど、トラウマだったのかもしれない。


 椿のことがあったから、隙を見せたら自分の大切なもの取られそうな気がして。

 
 「俺の場合は器用だから、周りと溶け込んで、信頼関係も作れるけど、ぼたんは見るからに不器用で、無理してて、見てらんなかった。守ってあげたいって思ったんだ」


 蓮も感じてたんだ。

 
 私たちは似てるって、自分で器用とか言ってるのはちょっとどうかと思うけど・・・でも、結果オーライなのかな。

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