恋するplants


 「じゃあ、これからは守られてあげる」


 「調子いいな」


 「だから蓮もつらいことがあったら私に頼っていいよ」


 うん、そう頷くと蓮はそっと肩にキスをした。


 「蓮、ちょっとのぼせてきちゃったかも」


 「ベッド行く?」


 「え?あのワインボトルが散乱したタバコ臭い部屋?」


 「2階にもベッドルームはあるんだけど、初めてだろ?俺んちで2階に来るの」


 「そうだね。じゃ、出るからちょっと目、瞑ってて」


 蓮の目に右手を持っていくと制された。


 「ヤダね。ぼたんは気づいてないみたいだけど、俺、夏からずっと我慢してるんだけど・・・」


 「何を?」


 「好きな子を腕枕しながら寝てるのに何もしないってことが男にとってどれだけ苦悶だか解ってる?」




 ★


 
 椿と冬月先生の結婚パーティーは冬月先生が働いているというスポーツジムの近くで行われた。


 冬月先生は意外にも私の最寄り駅の近くにあるスポーツジムのインストラクターをしていた。


 駅前に立つ真新しいビルの最上階がレストランになっていて、そこを貸しきってのパーティーだ。

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