恋するplants
「新郎の顔見た?」
「確か、高1の時の実習生でしょ?」
「この間、偶然、2人でいるとこ見たんだけど・・・・・・・」
「マジ?ウケる~結構、カッコイイ感じだったのにね」
みんながキャッキャッしながらもうじき到着する新郎新婦の噂話に花を咲かせていると、秋川がトイレから戻ってきた。
「大丈夫?」
「ジャケットは濡れちゃったけど、よかった下にカーディガン着てて」
秋川はウェイトレスからグラスを新しいシャンパンを受け取った。
「そういえば、まだ未成年じゃなかった?」
「最近、20歳になったんだ。言ってなかった?」
「嘘、いつ?」
聞けば、ちょうど遊園地でダブルデートをした日だった。
誕生日にあんなことしてごめん、謝ったところで秋川はきっと気にしていないよと笑うだろう。
「ごめん、秋川は私の誕生日には、ケーキを持ってきてくれるのに・・・今度、絶対埋め合わせするからね」
「うん、期待してる」
秋川は優しく笑った。
「新郎新婦到着しました~」
幹事さんの声が響き、ジャズバンドが楽器を構える。
その場にいる全員の視線が入り口へと向いた。