恋するplants


 「それより、初恋の相手はどうだった?カッコよくなってた?」


 「うん」


 「え?俺よりも?」


 「うん」


 「マジかよ~」


 蓮が悔しそうにハンドルと叩いた。


 ヤキモチ妬いてくれてる。


 本当は嘘を吐いた。


 5年ぶりに見る冬月先生はびっくりする位に頭が後退していた。


 まだ25歳なのに、ヤバいよね~と笑う友人たちを横目に先生を見た。


 冬月先生はここに私がいることに気付いているだろうか。


 先生、優しそうな顔になったな。


 きっと、スポーツセンターでも人気なんだろうな。


 頭は残念なことになっちゃったけど、幸せそうだな・・・


 「あの頃のこと思い出して、少し2人にヤキモチ焼いたり、胸が少し痛んだりするかなって思ってたの。でも、少しあの頃よりぽっちゃりした椿や冬月先生の幸せそうな顔を見てたら、おめでとうって心から思ったんだ」


 そう思えるのも蓮のおかげかな。


 イルミネーションが施された街路樹が連なる通りを走っていた。


 今日は道路も混んでいる。

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