恋するplants


 「幸せになれるキャンディ」そんな名目はどうだろうか。


 なかなか面白くなりそうだ。


 僕の中でイメージが膨らんでいく。


 魔女のイメージは・・・ふと思い出す子がいる。


 僕の片思いの相手だ。


 僕はもうその子に5年も片思いをしている。


 気持ちを伝えるつもりはない。


 僕が告白することで彼女に一番近い場所を失いたくなかった。


 彼女は気高く、美しい。


 でも、弱くてもろい。


 けして他人に弱さは見せない。


 崖に咲くエーデルワイスの花ように孤独だ。


 そんなイメージが魔女と重なる。


 僕が作る物語にはいつだって彼女が出てきてしまうのだ。





  ★




 (平屋が並び、高い建物が見当たらないこの街の真ん中には丘があった。丘の上には小さな家が一軒立っている。毎前9時をまわると煙突からもくもくと煙が上がり、甘い香りを漂わせている。ここは街の名店キャンディ屋「MARON」だ)


 
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