恋するplants
22歳、僕より3つ年上だ。
学年でいうと2つ。
僕は普段はケーキの並ぶショーケースの上に置かれた数字をかたどったキャンドルに手を伸ばした。
「2」を2つ取る。
ホットケーキの上にキャンドルを刺し、チャッカマンで火を灯した。
「お誕生日おめでとうございます。あいにく12時は回ってしまいましたが・・・」
敬語になったのは、相手が年上だと解ったからだ。
「いいんです。ありがとうございます」
彼女は照れたような笑みを浮かべて答えた。
キャンドルの火を吹き消すと、ホットケーキにメープルシロップをたっぷりとかけた。
「おいしい」
1口食べると彼女はそう言って微笑んだ。
よかった。
胸をほっと撫で下ろした。
「わがままに付き合ってくれてありがとうございました。誕生日を1人で過ごすのは寂しかったから・・・」
いつの間にか彼女は泣いていた。
泣きながら笑って、僕の作ったパンケーキをもぐもぐ食べていた。