恋するplants
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午前2時を回り、今からカフェインを取るのもなと躊躇った僕はミルクパンに牛乳を注いだ。
マグカップを2つ用意し、ホットミルクを注ぐ、形がいびつ過ぎて彼女に出せなかったパンケーキの残りをかじってみた。
まずい、不味すぎる!!思わずぺっと吐き捨てる。
パサパサで粉っぽいし、味がない。
これを誕生日ケーキだなんて、罰ゲームじゃないか。
最悪だ。
自分にこんなにお菓子を作る才能がないなんて。
落ち込みながら店内に戻ると彼女はパンケーキを完食していた。
ごめん、本当にこんなケーキ作っちゃって。
口で言えないけど心内では反省する。
ホットミルクを彼女に差し出すとにっこりと微笑んで受け取った。
涙はすっかり乾いたみたいだ。
「すみません、夜中にお騒がせしちゃって」
すっかり酔いの冷めた彼女はそう言って頭を下げた。
あ、ワインの瓶どこやっちゃったかな~と思い出したようだったので、中身が空だったので処分しときましたと答えると、すみません何から何までとまた頭を下げた。
彼女と向かい合い、マグカップを両手で包み込んだ。