恋するplants
バリスタな彼
「これ、なんだと思う?」
何か楽しいことを隠しているかのような顔をしたエリカが、うどんののったトレイを持って私の向かいの席に座った。
右手には何やらポスターのような紙を握り締めている。
お昼休み。
私たちは食堂にいた。
中学部に通う生徒のみが利用できる食堂で、ガラス張りの食堂内には外からの光が全面から入り、明るい。
所々に立つ柱と床は白、テーブルと椅子は赤で統一されていて、女子校らしい清潔感のあるポップな色合いがお気に入りだ。
ちなみに私の今日のランチはタラコスパゲッティーだ。
「何、それ?」
エリカの質問に私とゆかりは顔を見合わせて首を傾げた。
エリカはニタ~と含み笑いをすると、ばんとテーブルの上にポスターを置いた。
「△△高校 学校祭?」
「この高校にピンと来ない?」
△△高校?・・・あ・・・!
「王子様?」
「ビンゴ!」
私の答えにエリカがぱちんと指をならす。
紺色ブレザーに白と黒の市松模様のズボンの制服、△△高校、彼の学校だ。
「どうしたのこれ?」