恋するplants


 「実はさ、今朝、郵便が届いてたんだけどさ・・・」


 「知ってる。畑中さん、結婚するんでしょ?」


 茉雪はさらりと答えた。


 あまりにもクールだったので、思わず顔を覗き込んだが、彼女は遠くを見ていた。


 「私にも届いたの。結婚式の招待状。クリスマスにパーティーって・・・彼女らしいわね」


 「出席するの?」


 「もちろん。行って、笑顔で祝福してやるわよ」


 強い。


 僕は思わず噴出してしまった。


 茉雪、君って子は本当に勇ましいね。


 だから僕は君が好きなんだ。




  ★




 僕が彼女に会ったのは高校の入学式でだ。


 新しい生活に期待と不安を抱え、新しいクラスに向かった。


 教室に入った瞬間、僕は彼女に見とれてしまった。


 一目ぼれっていうのかもしれない。


 出席番号順に割り振られた席、廊下側の端、真ん中の席にすらっと背筋の
伸びた女の子がいた。

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