恋するplants


 髪をポニーテールに結んで、赤い淵のメガネをして、まっすぐ前を見ていた。


 周りの女子と比べて、頭1つ分、飛び出ているからだろうか。


 僕には彼女がとても大人びて見えた。


 彼女の名前は茉雪ぼたんという。


 出身中学、中学時代の部活、血液型、自己紹介で彼女の言葉を記憶に留めた。


 気付くと僕はいつも彼女を追っていた。


 体育の時間や昼休み、授業中でさえも。


 彼女はあまり人付き合いが得意ではないようだった。


 女子が苦手なのかもしれない。


 女子のグループで笑い合う彼女の笑顔はぎこちない。


 周りに合わせているのが解った。


 僕も人見知りで、中学時代は休み時間も机にかじりついて執筆してたためキモイと言われ、仲間はずれにされた時期があった。


 そのトラウマのせいかなかなか新しいクラスに馴染めなかった僕はますます茉雪に親近感を持っていった。




 「畑中さ、茉雪と仲いいだろ?どうにか取り持ってくれない?茉雪って彼氏いないんだろ?」


 「山下ってぼたんのこと好きなの?あれってマジだったんだ。冗談かと思った」



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