恋するplants
2人の会話を偶然聞いてしまったのは、球技大会の打ち上げで、クラスのみんなでボーリングに行った時だった。
山下くんという同じクラスの男子と当時、茉雪を同じグループだった畑中椿。
トイレと向かう階段の踊り場で2人は話していた。
僕は存在が薄いのか2人は全く気付いていなかった。
話題が茉雪の事だったので、気になってしまい、さっと陰に隠れて盗み聞きをしてしまった。
「ここだけの話、ぼたん大人しそうで結構、遊んでるよ」
「え・・・マジ?いかにも優等生って感じじゃん」
「それって、騙されてるの。ぼたんと同中の子から聞いたんだけど、中学の時からすごかったんだって。ワルイ人とも付き合ったことあるっぽい。それに、山下のこと、話かけてきてキモイって言ってたよ」
「嘘・・・」
嘘だ。
茉雪がそんなこと言う訳がない。
「ごめんね、ぼたんは友達だけど、このまま山下がぼたんと付き合うことになったらって思ったら言わずにいれなくて・・・」
「いや、いいんだ。結構、ショックだけど・・・もっと好きになる前に教えてもらって良かったよ」
「山下が傷つくの見たくなかったの。私、山下のこと入学式の時からいいなって思ってたから」
「・・・畑中」