恋するplants

夕焼けとチェリータルト



 自動ドアが開くと共に、店の中に入ると、レジカウンターによもぎさんの姿を発見した。


 やっぱり、日曜は夕方からバイトに入るシフトらしい。


 「ちえりちゃん」


 私に気付いたよもぎさんが声を掛けてくれた。


 私はいそいそとカバンの中から返却するCDの入った袋を取り出し、よもぎさんに渡した。


 「ちえりちゃんも洋楽聞くんだね?・・・全部、俺が持ってるCDだからよければ貸したのに・・・って、レンタル店の店員が言うことじゃないね」


 思わずふふふと愛想笑いをしてしまった。


 よもぎさんのラックをチェックして借りたんだから、かぶってるのはあたり前だ。


 「このアルバムはすごく好きだなって思いました。声がいいなって。お小遣い貰ったら、買おうかな」


 「俺もこの人は好きなんだ。リラックスして聞けていいよね?あ、新しいアルバムでるの知ってる?」


 「そうなんですか?」


 何かいいかんじだ・・・すごくさりげなく会話をしてる。


 もっとよもぎさんと話したいなと思ってると、レジの前にお客さんが並んでしまった。


 よもぎさんの接客が終わるのを待って、再び話しかける。


 「今日は、DVDを借りたくて。よもぎさんのオススメってありますか?」


 「そうだなぁ」

< 42 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop