恋するplants
夕焼けとチェリータルト
自動ドアが開くと共に、店の中に入ると、レジカウンターによもぎさんの姿を発見した。
やっぱり、日曜は夕方からバイトに入るシフトらしい。
「ちえりちゃん」
私に気付いたよもぎさんが声を掛けてくれた。
私はいそいそとカバンの中から返却するCDの入った袋を取り出し、よもぎさんに渡した。
「ちえりちゃんも洋楽聞くんだね?・・・全部、俺が持ってるCDだからよければ貸したのに・・・って、レンタル店の店員が言うことじゃないね」
思わずふふふと愛想笑いをしてしまった。
よもぎさんのラックをチェックして借りたんだから、かぶってるのはあたり前だ。
「このアルバムはすごく好きだなって思いました。声がいいなって。お小遣い貰ったら、買おうかな」
「俺もこの人は好きなんだ。リラックスして聞けていいよね?あ、新しいアルバムでるの知ってる?」
「そうなんですか?」
何かいいかんじだ・・・すごくさりげなく会話をしてる。
もっとよもぎさんと話したいなと思ってると、レジの前にお客さんが並んでしまった。
よもぎさんの接客が終わるのを待って、再び話しかける。
「今日は、DVDを借りたくて。よもぎさんのオススメってありますか?」
「そうだなぁ」