恋するplants
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「イチゴちゃん?」
イチゴちゃんは大きなトートバックを肩に下げて、店内に入ってきた。
「今、スタッフの人、料理運んでるみたいだけど」
スタッフは店長とわらびちゃんしかいないみたいだ。
僕は店の奥を振り向きながら、わらびちゃんの姿を探す。
「いいの、私、お客さんじゃないから」
イチゴちゃんはそう言うとトートバックをバームクーヘン型のテーブルに降ろし、僕の隣に腰かけた。
「よく、来るの?こういうお店?」
「まさか。こういうメルヘンな雰囲気は好きだけど、男1人で来る勇気はないよ。実は、高校の後輩がここでバイトしててね。店長さんに頼まれて、プレイスペースで人形劇をすることになったんだ。今日はその打ち合わせ」
「そうなんだ~。ちょっとびっくりしたよ。でも、すごい偶然」
「イチゴちゃんはどうしてここに?」
そう訊ねるとイチゴちゃんはニコニコしながらトートバックの中に手を入れた。
「ここのレンタルスペースを借りてこんなの売ってるの」
イチゴちゃんはポーチやポケットティッシュ入れ、ミニトート等をテーブルの上に並べた。
「へぇ~、器用なものだね」