恋するplants
「おねえ~さん、トイレはどこですか~?」
店の奥から幼稚園児くらいの男の子5人がこちらに向かって突進してきた。
トイレトイレと騒いでいる。
「お店の中で走っちゃダメだよ!」
わらびちゃんが優しく注意するも、子供たちはきゃっきゃっはしゃぎながらわらびちゃんの横を通り過ぎた。
トイレはプレイスペースの横だ。
男の子のうちの1人が勢いよく、イチゴちゃんに突進してきた。
「大丈夫?」
イチゴちゃんは勢い余って後ろに尻餅をついたその子を起こすのを手伝ってあげた。
「大丈夫。オレ、男だもん」
と余裕の笑顔を男の子は見せた。
口の周りにべたべたとトマトケソースをつけて言ってるのがかわいらしい。
男の子はおしりを手で払うと他の子を追いかけてトイレに入っていった。
「あぁ~」
隣でイチゴちゃんの悲しい声がした。
振り向くと、イチゴちゃんの着ていた白いワンピースに赤いシミがべっとりとついていた。
「イチゴちゃん、大変・・・さっきの子が・・・」
わらびちゃんはおしぼり持ってくるとキッチンに向かった。
「やっぱり私ってツイてない星の下に生まれたのかも・・・」
そう言ってイチゴちゃんへへっと自虐的に笑った。