恋するplants


 茉雪のことは何でも知ってるつもりだったけど、合コンとか行ってたんだ。


 そんなタイプだと思わなかったけど。


 たぶん、頼まれたら断れないから麻田さんに強引に頼まれたのかもしれない。


 「茉雪も何でそんな見栄張っちゃったの?」

 
 茉雪は食べ終えた食器を返却口に返すと気まずそうに下を向いた。


 「ほっといてよ。それより、コーヒーか何か飲む?午後の授業、寝ちゃいそうじゃない?」


 「賛成。これもおごり?今日は茉雪様々ですな」


 ホッホッホッと黄○様のように笑うと茉雪が眉を顰めた。


 その後に仕方ないなと優しく笑う。


 その笑顔がたまらなく好きだ。


 茉雪は自販機の前に立つとサイフをジャケットのポケットから取り出した。


 サイフと一緒に何かが下に落ちた。


 拾ってあげようとして思わず目を開いた。


 茉雪が落とした定期入れには古びたピコピコハンマーのキーホルダーがついていた。


 僕が茉雪に初めてあげた物だった。


 まだ持っててくれたんだ。


 ちょっと顔がニヤけそうになってぐっと口元をすぼめた。

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