恋するplants


 よもぎさんは片手を顎に添えて考える。


 丁度、もう1人の店員がカウンターに入ってきたので、ちょっとレジお願いします。


 と、その人に声を掛け、よもぎさんはカウンターを出てきてくれた。


 「どういったものがいいの?」


 「そうだなぁ・・・海外もので、できればドラマがいいかな?」


 続きもののドラマを借りれば、暫らくはここに通えるもんね!よもぎさんはDVDの並ぶ棚の奥に入っていく。


 私はその後を追っていく。


 「これなんかどうかな?・・・出てくる登場人物が超能力者ね・・・」


 よもぎさんがざっとあらすじを話してくれる。


 ・・・おもしろそう。


 「それにします。とりあえず、1巻から・・・」


 私はずらりと並ぶシリーズの中からシーズン1の1巻を手に取った。


 よもぎさんにお礼を言って外に出るとホクホクした気分で駅に向かった。


 

 大きな夕日があたりをオレンジ色に染めていた。


 時折吹く風が冷たくて、襟元もマフラーを口まで上げる。


 冬を感じるようになってどんどん日が短くなっていくのがわかる。


 後ろに伸びる影を引き連れて、車の多い通りの舗道を歩いていた。

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