恋するplants
観覧車への乗り場へと続く列に私たちは並んでいる。
空の上で2人きりになれる観覧車はカップルたちに人気なのか長い列が出来ている。
ゆっくりと回転する観覧車を眺める。
乗り場に着いたゴンドラを何気なく見て、思わず目を見開いた。
ゴンドラからよもぎさんが降りてきたのだ。
柔らかそうな緩いパーマの掛かった髪に黒いショートコート。
襟元に巻かれたモスグリーンのマフラーが映えている。
よもぎさんの後から・・・小柄な女の子が降りてきた。
淡い茶色の長い髪はくるくるとパーマがかかっている。
よもぎさん、その子は誰ですか?・・・やばい、よもぎさんがこっちに向かって歩いて来る。
私はゆかりの後ろに隠れようとしたけれど、よもぎさんが私を見つけたのが早かったみたいだ。
「あれ?ちえりちゃん」
よもぎさんに声をかけられた。
ゆかりとエリカもよもぎさんの隣にいる女の子に気付いたのか気まづそうに私の顔を覗いた。
「知り合い?」
女の子がよもぎさんに訪ねる。
声、かわいいんですけど~ヘコむ・・・
「柏の友達なんだ」
「・・・弟の?」