恋するplants


 「よも兄、髪が長い子が好きだと思うんだ」

 
 柏・・・

 
 知ってたの?




 電車が■■駅についた。


 ホームに降りると、ぶるっと体が震えた。


 寒い。


 雪が降ってきた。


 ホワイトクリスマスだ。


 白い息を吐きながら暫らくの間、線路に落ちては消えていく雪を眺めていた。


 やっぱり持つべきものは女友達だなとつくづく思う。


 あの後、私たちは遊園地を出て、近くのカラオケボックスに向かった。


 声が枯れる程、失恋ソングを熱唱したら少し気分が楽になった。


 エリカは自分も失恋したばかりなのにすごく優しく励ましてくれた。


 ゆかりは逆に面白いことを言って笑わしてくれた。


 よもぎさんに彼女がいるとわかって、その彼女に会って、すごくショックだったのに何故か涙は出なかった。


 エリカみたいに涙を流すことができたらもっと楽になったかもしれない。


 でも、よもぎさんと彼女がすごくお似合いだったから。


 素敵だなって思ったら変に納得している自分がいた。

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