恋するplants
「店内で何回か呼んだんだけど、気付かなかった?」
「え?そうですか?・・・すみません、ぼぅとしてて・・・(ついでにDVDも延滞してすみません)よもぎさんバイトだったんですか?」
「うん、丁度、終わったところ。・・・明けましておめでとう」
「あ、明けましておめでとうございます」
気付けば、クリスマスから1週間以上経って、新年を迎えた。
街はクリスマスモードから一転、すっかりお正月モードだ。
年が明けて何日か経っていたけれど、よもぎさんは律儀に新年のあいさつをしてきたので、私もよもぎさんに向かい合ってお辞儀をする。
「急で悪いんだけど、今、時間ある?」
はい・・・私はこくりと頷いた。
よもぎさんはレンタルショップと同じショッピングモール内にあるファーストフード店に私を誘った。
「何にする?奢るよ」
「ありがとうございます。・・・じゃあ、苺シェークを」
「苺シェーク・・・」
よもぎさんは繰り返すとくすりと笑った。
こんな雪の降っている寒い日にシェークなんて、変な子だと思われたかな?
「変ですよね、こんな寒い日に・・・季節に関係なく飲みたくなるんです」