恋するplants


 「店内で何回か呼んだんだけど、気付かなかった?」


 「え?そうですか?・・・すみません、ぼぅとしてて・・・(ついでにDVDも延滞してすみません)よもぎさんバイトだったんですか?」


 「うん、丁度、終わったところ。・・・明けましておめでとう」


 「あ、明けましておめでとうございます」


 気付けば、クリスマスから1週間以上経って、新年を迎えた。


 街はクリスマスモードから一転、すっかりお正月モードだ。


 年が明けて何日か経っていたけれど、よもぎさんは律儀に新年のあいさつをしてきたので、私もよもぎさんに向かい合ってお辞儀をする。


 「急で悪いんだけど、今、時間ある?」


 はい・・・私はこくりと頷いた。


 よもぎさんはレンタルショップと同じショッピングモール内にあるファーストフード店に私を誘った。


 「何にする?奢るよ」


 「ありがとうございます。・・・じゃあ、苺シェークを」


 「苺シェーク・・・」


 よもぎさんは繰り返すとくすりと笑った。


 こんな雪の降っている寒い日にシェークなんて、変な子だと思われたかな?


 「変ですよね、こんな寒い日に・・・季節に関係なく飲みたくなるんです」


< 61 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop