恋するplants


 切ない気持ちを抱きながらシェークをすする。


 よもぎさんはホットコーヒーにミルクと砂糖を入れながらくるくるとマドラーでかき混ぜている。


 「ちえりちゃん、柏と喧嘩したの?」


 突然のよもぎさんの質問にむせてしまった。


 ゴホゴホと咳込んだら、よもぎさんが大丈夫?と紙ナプキンを差し出してくれた。


 「・・・柏、何か言ってました?」


 カウンターで水をもらい落ち着くとよもぎさんに訊ねた。


 「何も言わないから、余計に気になってるんだ。・・・最近、元気なくて、ちえりちゃんと出会ってから柏、毎日すごく楽しそうだったから・・・」


 よもぎさんはまっすぐ私に視線を向けた。


 私はふっと視線を逸らした。


 「・・・柏ってよもぎさんに彼女がいること知ってたんですか?」


 何で急にそんな質問を?と言わんばかりによもぎさんは不思議そうな顔をした。


 少し考えるような仕草をして、ゆっくり口を開いた。


 「実は、彼女と知り合いになる前、偶然会ったことがあって。そのとき、彼女、柏と言い争いしてたんだよね」


 「けんかしてたんですか?・・・でも柏、よもぎさんの彼女を知ってるような感じじゃなかったけど・・・」


 
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