恋するplants


 おばさんは嬉しそうにわらびちゃんに声をかけた。



 「寒い日に限ってアイスが食べたくなる時あるよね?」

 
 わらびちゃんは木の長いすに座って大きな木のテーブルに頬杖をつきながら言った。


 「解ります!私もファーストフードに行ったら、シェークが飲みたくなるの」


 わらびちゃんと向かい合って座る私は激しく頷いた。


 席に着いて、コートを脱いだわらびちゃんはよもぎさんと同じ制服を着ていた。


 2人が制服でデートしているところもお似合いなんだろうなと想像する。


 「ちえりちゃんって◇◇女子大付属校なんだ?セーラー服って中等部?頭いいんだねぇ」


 わらびちゃんが私の制服を見ながら頷く。


 「そんな・・・小学校の時に入ったから、中学受験するより全然楽なの!あ、ごめんなさい。年下なのに、タメ語で・・・」


 「いいの、わらび小さいから小学生に間違えられることもあるし。タメ語の方が仲いいみたいでいいよ」


 わらびちゃんがにっこりと笑ったので私も恥ずかしくなりながらこくりと頷く。


 おばさんが店の奥から注文したアイスクリームと温かいハーブティーを淹れて持って来てくれた。


 ガラスのカップからたちあがる湯気が鼻腔をかすめ、カモミールの匂いがした。


 注文したチェリーソルべを口に運ぶ、甘くて酸っぱい。


 けれど後味がさっぱりしていておいしい。

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