恋するplants
「わからない。」
私の質問に2人は首を振る。
よもぎさんかぁ~と私は心の中に彼の名前を刻んだ。
「私の茶髪王子は載ってないんだぁ~・・・残念!」
「目、細いからじゃない?それより、隣の人かっこいいよ~白根芹さん?彼こそ王子様って感じじゃない?」
「え~ビジュアル系バンドのボーカルみたいじゃん!それに、ぽっちゃりしてるゆかりとは不釣合いだよ~。」
「言ったね?ガリガリのくせに~腹の肉、移してやる~!」
「2人共、止めてよ~。」
いつものように始まったゆかりとエリカの喧嘩を遮って、1年G組に行くよ!と指揮を取る。
何でG組?ときょとんとする2人に、ポスターを指差して、自慢げに言った。
「よもぎさん、1年G組って書いてあるじゃない?」
職員室のある校舎の3階に上るとお客さんの数もどっと増えた。
各教室の生徒が催し物にあった衣装を身にまとい、呼び込みをしている。
一般客も生徒も入り乱れ、がやがやとした楽しそうな空気が伝わってくる。
G組の教室は廊下の一番奥から2番目の教室で、教室の前には長蛇の列が出来てた。
「なんか、ここの教室だけすごいことになってるねぇ~。テレビで見る行列のラーメン屋みたい」