恋するplants


 「そうだなぁ・・・あと3年くらいかなぁ・・・」


 「はぁ?何が?」


 「あと、3年経って、柏がよもぎさんみたいに背が高くてカッコよくなったら、彼氏にしてあげてもいいかな?」


 「・・・ふざけんな・・・」


 柏が怒り出しそうだったので、ごめん、冗談だよと笑った。


 丁度、ホームに電車が来て、私たちは車内に乗り込んだ。


 いつものように扉の付近に立つと、柏が座席の前のつり革に掴まった。


 前より掴まっている様子が不自然じゃない。


 ちょっと会わない間に柏の身長が伸びてたんだ・・・恐ろしい・・・成長期・・・。



 発車のベルが鳴ると、慌てた人が車内に駆け込んで来た。


 思わず端に寄ったら、その中の1人と目が合った。


 嘘!!


 私は思わず目を見開いた。


 いつか柏ともめた女子高生たちだったからだ。


 一触即発!彼女の視線が私の後ろの柏に注がれる。


 あ~、言い争いだけはやめてください。


 神様、仏様・・・私は手すりにぎゅっと掴まり、覚悟を決めた。


 何かあったら私が絶対、間に入って止める!!

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