恋するplants


 「よもぎさんのイケメン効果なの?」


 「そんなワケないでしょ?人それぞれ好みがあるんだから・・・。」


 とりあえず、最後尾に並び、蝶ネクタイに白シャツ、黒いロングのカフェエプロンを着たスタッフらしき人からメニューをもらった。


 よもぎさんのクラスはカフェらしい。


 手書きのメニュー表にはコーヒーとサンドウィッチ、プリンなどのデザートが書かれている。


 教室側の壁には某有名チェーン店のロゴを明らかにパクったであろうグリーンのステッカーが貼られている。


 教室の入り口に設けられた受付でメニューを頼み、お金を払った。


 代わりに食券をもらい、さっきのスタッフの生徒に席に案内された。


 教室内をぐるりと見渡すと、勉強机を向かい合わせて作った即席のテーブルにはグリーンのテーブルクロスがかかっている。


 案内された席は入り口の近くで、何故か前方にステージが作られていた。


 何かイベントがあるのかな?と不思議に思う。


 スタッフに注文した食券を渡し、教室の前の方に目を向ける。


 教室の前部分は食べ物や飲み物を出すスペースになっているみたいだ。


 みんなお揃いの蝶ネクタイとカフェエプロンを着て動き回ってる。


 ふと、長テーブルの上のコーヒーマシーンに目を向けると、そこには私の王子様がいた。


 「見て、王子様が・・・コーヒーをお作りに・・・。」


 思わずゆかりとエリカに報告した。


 2人はにやにやしながら私の顔を見た。


 黙々と作業を続ける凛々しい姿、捲くった白シャツから出ている男らしい腕。


 彼の動作1つ1つに釘付けになった。


 慣れた手つきでコーヒーを出すよもぎさん、素敵です。



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