恋するplants


 丸太さんはまっすぐ俺を見て答えた。


 「新聞にも、偉人の言葉を掲載してるじゃない。白根くんの字で」

 
 「あれは、筆ペンで書いてるから、毛筆とは勝手が違う・・・」


 「書道もやってたんでしょ?お爺さんが書道教室を開いてたってぼたん先輩から聞いたわ」


 ちなみにぼたん先輩は同じ部の2年生で部長を務めている。


 モデルの様にキレイなのにさばさばした性格の人で親しみやすい先輩だ。


 「勿論、白根くんも経験者なんですよね?」


 お豆くんの顔がずずいと近づいてくる。


 俺はふぅとため息をついた。


 「そうだけど・・・俺、書道はもうやるつもりはないんだ」




 ★



 身長172cmに体重62kg。


 今は痩せている方の俺だけど、小さい頃はとても太っていた。


 アルバムを見ると、何かしらの食べ物を片手にいつも持っているし、チョコレートバーが大好きでいつも口の周りにチョコがついていたのを覚えてる。


 もともと、肌の色が白いせいか、昔のあだ名は白ブタ。


 子供というのは素直な分、時に残酷で、もともと内気な性格もあって、俺はいつも苛められていた。

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