恋するplants


 ヒドイ言い方をされて振られたにもかかわらず、心のどこかで彼女との再会を喜んでいる自分がいた。


 校内新聞のイケメンランキングで3位になった今なら、彼女も認めてくれるだろうか?


 
 「春風さん、俺のこと覚えてる?白根芹、小学校の時、書道教室で一緒だった・・・」


 ある春の日の放課後、夕日の差し込む階段の踊り場で俺は思い切って彼女に声をかけた。


 彼女は掲示板に貼られた新聞を熱心に見ていたので、声をかけられて驚いた顔をしていた。


 マジマジと俺を見つめ、


 「・・・白ブタくん?・・・痩せたんだ・・・」


 「ダイエットして痩せたんだ。おかげで高校生になるの1年遅れたけど・・・あ、学校新聞見てたんだ・・・俺、3位に・・・」


 「何で私に声かけたの?」


 「同じクラスだし、春風さんと友達になれたらなって・・・」


 友達・・・彼女は小さく繰り返すと、学校新聞を指さした。


 「私、このイケメンランキング1位の草香(くさか)よもぎくんのことがずっと好きだったんだ。彼に近づきたくて、受験頑張ったの。彼と私の中を取り持ってよ・・・私と友達になりたいんでしょ?」


 どくんと鼓動が聞こえた。


 俺はまた彼女に利用されるのか?痩せてこんなに変わったのに俺じゃダメなんだ・・・


 「春風さんが友達になってくれるなら・・・」

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