恋するplants


 石畳の上の落ち葉を掃除している寺の住職に頭をさげ、祖父の眠る墓へと向かった。


 段々畑のように丘を埋める墓地の中腹に白根家の墓石はあった。


 毎月、月命日にここを訪れる祖母のおかげで雑草は刈られ、墓石はきれいに磨かれている。


 枯れた花を脇に捨て新聞紙と一緒に火をつけた。


 起こった火で線香を焚き、花筒に水仙を挿し、ひしゃくで水をあげる。


 今日はここに決意表明に来たんだ。


 白い息を深く吐き、墓石の前にしゃがみ込んだ。


 「爺ちゃん、長い間、書道をさぼっててごめん!」


 これからは書に向かうよ。


 爺ちゃんのような書家にはなれないけど、俺は書が好きだからもう1度張ってみるよ。



 そうか、頑張れよ、芹



 祖父の声が聞こえた気がして俺は空に向かって微笑んだ。


 
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