おれんじいろ

「だって行くとこないんだろ?なら俺ん家きてもいいけど。」

「…………。」

「あっでもなぁ明日俺朝結構早いけど…まぁーそのへんはどうにかなるか。」

なに一人で勝手に話を進めているんだろう、この人は。

「あの!」

「ん?」

「私あなたの家に行くつもりなんてないですから。」

「じゃあどうするわけ?」

「それは…」

「家も帰りたくないし、行く場所もないんでしょ?なら断るとかもったいないと思うけど。」
男はさも当たり前というように話をする。


なにこの人…見知らぬ人をすぐ家に泊めるとかありえない。
ましてや私女なのに…。


も、もしかして…簡単にやれるとか思ってるのかな?
泊めてやる代わりにって…そうゆうことか。



私はそんなふうにしか考えられなかった。
人なんて所詮そんなものだもん。
誰かに期待するのは無駄だと思うから。
< 20 / 22 >

この作品をシェア

pagetop