おれんじいろ
「だって行くとこないんだろ?なら俺ん家きてもいいけど。」
「…………。」
「あっでもなぁ明日俺朝結構早いけど…まぁーそのへんはどうにかなるか。」
なに一人で勝手に話を進めているんだろう、この人は。
「あの!」
「ん?」
「私あなたの家に行くつもりなんてないですから。」
「じゃあどうするわけ?」
「それは…」
「家も帰りたくないし、行く場所もないんでしょ?なら断るとかもったいないと思うけど。」
男はさも当たり前というように話をする。
なにこの人…見知らぬ人をすぐ家に泊めるとかありえない。
ましてや私女なのに…。
も、もしかして…簡単にやれるとか思ってるのかな?
泊めてやる代わりにって…そうゆうことか。
私はそんなふうにしか考えられなかった。
人なんて所詮そんなものだもん。
誰かに期待するのは無駄だと思うから。