君との約束~陸上指切りげんまん~

No.4 裏と表

昨日は疲れた。

『利歩が海君のこと好きってずーっとわかってたよ。』

千夏の言葉。

「理解できない・・・」

昨日はあれから恥ずかしくなり「明日話す」と言い、電話をやめた。
そのあとお母さんにうるさいと叱られた。
ああ。私の声はそんなにでかかったのか・・・

「朝練どころじゃないよ・・・」

独り言を呟き靴をはいているとふと思い出した。

海との約束。

「勝負・・・」

もっと考える時間が欲しかったが、朝練開始時刻五分前。

「うああああ!」

「うるさいっての!」

また怒られた。
はあ。無念だ。

私はダッシュで学校へ向かった。

今日はなんだか走れそうな気がしたが、海と千夏に顔をあわせるのがちょっと気まずい気がした。
< 13 / 152 >

この作品をシェア

pagetop