君との約束~陸上指切りげんまん~
「海、空、あと5周だよー・・・」

長距離は、すごいな。
そう思った。

あんなに長い距離、よく走れるな。
同じ風景ばっかり眺めててつまんなくないかな?
って海に言おうとしたが、きっと 『短距離もだろ。』と言われそうなのでやめとこう。

「利歩。バトン合わせしよー」

「あ。うん!!」

千夏からの、いや、リレーメンバーのバトンを私は、ゴールまでつなぐ。
大切な役目だ。


「ねぇ??利歩?どうしたの?」

「あっは!いや!!」

個人練習が続き、私はアンカーだから練習しなくていいと思ってた。

今になって、あのトラウマを思い出した。

「利歩・・・!?まさか・・・」


そのまさかだ。

「小学校の頃のトラウマ・・・思い出した感じ!?」

「あああ!!言わないでえええ!!」

リレー。

忘れてた。

小学校の頃。
私は2走を走った。
その時、バトンを落として。
転けて、あげくの果てにコースを出てしまい、失格になった。

ああ。あのときのクラスの奴からのブーイング。
思い出すだけで泣けてくる。

「いっ、今は今だよ!!切り替えよう!!」

「千夏。落としたらごめん」

「マイナスに考えんのやめ!!」
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