君との約束~陸上指切りげんまん~

No.2 罪悪感

『裏切り者ー・・・』

千夏の口からストレートに言葉が突き刺さる。

「裏切り者って?え?どうしたの?」

「海君ー・・・嬉しそうに今さ。俺、利歩と約束したんだって。」

「約束ー・・・」

ああ。あの事だ、勝負だ。

「ねぇ。何を約束したの?」

どうしてだろう。
言えない。

言ってもいいことなのに。


言えない・・・

「言えないの?」

イライラしてきたのか、暑いのか、
かるーく、千夏の頬から汗が垂れる。

「ええっー・・」

どうしても脳が許さない。

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