君との約束~陸上指切りげんまん~
言わないと。

千夏は親友なんだから、傷つけちゃダメなんだ。

「ねえ。」

私は気づいた。

これは海との秘密。
海が誰かにこの事をしゃべったとしても、私は二人だけの秘密にしたかっただけなんだ。

「ねえ!!」

バンッ!

「!?」

「どうして言わない訳?」

ギリっと歯をくいしばり睨んだ千夏。
すごく怖い。


千夏なのか?と疑うほどの顔だ。

「千・・・夏?」

「私には応援してくれるって言ったくせに、利歩って嘘つきだね。」

「あのねー・・・あれはー・・・」

「いっいい加減にしてよ!!!」

部室に千夏の声が響いた。

「親友なんて言って損した。最低だよ利歩」

ねぇ。待って。
違うの。

「千夏!違うの!そういう訳じゃないの!!」

「じゃあどうして言わないの?」

「ー・・・」

「どうせ私が海君好きって言ったから、とったんでしょ?」

「ちっ違・・・・」

「利歩なんかー・・・」

ガリリッッ・・・・


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