君との約束~陸上指切りげんまん~
にぶい音と同時に手首に激痛がはしる

「利歩が悪いんだよ。私のことで遊んだりするから。」

千夏の手にはスパイクが握られていた。
どうやらスパイクのピンで私の手を・・・・

「痛い千夏ー・・・どうしてこんなことするの?」

「今利歩が感じてる痛みより、私の心なんかもっと痛いから。」

スパイクを床にポトリと落として「知らない」などと言いながら部室を出ていった千夏。

「痛ー・・・」

血がみるみる出てくる。
じんじん痛みがおそう。

「千夏ー・・・痛いよ。」

しゃがみこんで涙を浮かばせた。
泣かないと思ってたのに痛みと千夏の言葉に負けそうだった。

「っー・・・」

『今利歩が感じてる痛みより、私の心なんかもっと痛いから』

千夏のあのセリフ。

酷いことしたな。
どうしていつも私は黙っちゃうんだろう。

大したこと無いのに。



「利歩ー・・・?」

「!?」

そこには驚く海の姿。

「お前ー・・・何その手」

「あっー・・・いいの!怪我だよ!」

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