君の隣で~☆星空☆続編~【完】
あたし達の借金は2年で、やっと返し終わった。
その頃には、守が築きたかった“家庭”というものが、ちゃんとそこにあった
それでも、あたしは働き続けていた
感情のいらないこの仕事に………
――――――――――
「伊織チャンってさ、忘れられない男とかいる?」
伊織―――
流奈の源氏名。
そんな、お客サンの言葉に一瞬だけ息苦しくなる。
「……いるよ」
そう、笑顔で返すあたしの心の中では翼の名前を呟いていた
「どんな男なんだろ、伊織チャンが本気になる男って」
「翼って言う名前だったんだ!!かっこいいでしょ☆」
「ばかじゃん☆聞いてねぇ~!!」
「聞かれてなぁい!!アハハハハッ!!」
消したくない………
消えて欲しくない。
翼という存在が………。
この世の中にいたっていう、翼の存在を。
夜寝る時に……
店に居る時にだって、
何処にいても、頭の中に突然現れるんだ。
そして、その度にあの写真の中の悲しい顔しか浮かんでこない。
あたしが、思い出す翼の顔は
あの悲しそうな写真の中の翼だった。
その頃には、守が築きたかった“家庭”というものが、ちゃんとそこにあった
それでも、あたしは働き続けていた
感情のいらないこの仕事に………
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「伊織チャンってさ、忘れられない男とかいる?」
伊織―――
流奈の源氏名。
そんな、お客サンの言葉に一瞬だけ息苦しくなる。
「……いるよ」
そう、笑顔で返すあたしの心の中では翼の名前を呟いていた
「どんな男なんだろ、伊織チャンが本気になる男って」
「翼って言う名前だったんだ!!かっこいいでしょ☆」
「ばかじゃん☆聞いてねぇ~!!」
「聞かれてなぁい!!アハハハハッ!!」
消したくない………
消えて欲しくない。
翼という存在が………。
この世の中にいたっていう、翼の存在を。
夜寝る時に……
店に居る時にだって、
何処にいても、頭の中に突然現れるんだ。
そして、その度にあの写真の中の悲しい顔しか浮かんでこない。
あたしが、思い出す翼の顔は
あの悲しそうな写真の中の翼だった。