君の隣で~☆星空☆続編~【完】
守と結婚してから早5年が経ち


店に入り3年がすぎ……



あたしは23歳になっていた



借金を返してから1年――。



あたしの隣には守がいた


ありふれている、ごく普通の家族がここにある……。





随分と大きくなった愛と千夏がいつもと変わらない笑顔ではしゃいでいる―――



あたしは、守との結婚生活にピリオドを打つ事はなかった



許した訳じゃない



信じてる………



そんな事を言ったら嘘になる



笑えてる――?



心から笑えているのかなんて分からない――




それでも、あれから涙を流した事なんてない。





守を愛してる……?



そんなの未だに分からない



翼を失ってから……



あたしの好きや愛してるは永遠の物になったから。



だから……
あたしの好きや愛は他には生まれない―――




ううん……



好きや愛の意味が分からないのかもしれない。





そんな感情はもう


昔に捨ててしまったから…







それでも、あたしは守の傍で愛と千夏の笑顔を守り続けたいと思う。



同情なんかじゃない……



ただ、あたしの居場所はここにある気がするから。




あたしが店を始めてからの守は激変した



とてもいい意味で………



だから、あたしもその気持ちに応えたいんだ。




守が求めていた家族を



温かい家庭を築いて行きたいと思う。




愛と千夏の居場所がずっとここであるように……




いつか、あたしの心の闇が晴れる事があったら




その時は心から笑いたい




それが、わずかな……


あたしの贅沢な願い――。
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