君の隣で~☆星空☆続編~【完】
「俺と付き合えよ」


「えっ……?」



一瞬、何かがあたしの中で時間が止まっていた。



「なっ、いいな?」



そう言う守にただ頷いた。



好きとか、そんな言葉はなく、守があたしに言ったたった1つの言葉。




「…………」



「初めてだわ、流奈みたいな女。なんか違うわ」



「なにが?」


「今まで、こう言っちゃなんだけど、俺の事追いかけて来ない女なんかと出逢ったことがなかったから」



そう言いながら、守はエンジンをかけて車を走らせた。



「もう、俺が男なんだから、なんでも言え??きっとお前は嫌がるだろうけど、お金の面とか」


「あ、それはいい。」


「だから、例えばな」


「うん」



あたしはこの日、守に初めて家の近くまで送って貰った。


いつもは、地元に恐れて少し離れた場所で降ろして貰ってたから……。




守はそれだけを話しにこっちまで来ていた。




あたしは車を降りたあと、変な感じだけが残っていた。




予想もつかなかった出来事に戸惑いを感じて……。



いつもならここでゲームオーバー。


なのに、なんだか複雑な気分だった。




そのうちに守は家に電話をしてくるようになった。


あたしは男達に家の番号を教えた事がなかったのに、守に聞かれた時は何故だかすんなり教えてるあたしがいた。





「おう!家にちゃんといたのか」


「あ、うん」


1日の出来事を聞かれる毎日。


あたしは家に掛かって来る電話が気が気じゃなかった


また親にばれたら何を言われるか分からない。



そう思いながら
守との電話はいつも影でこそこそしていた





だけど、


親にばれたのも時間の問題。



その日、いつもより遅くお風呂に入ってたあたしはお風呂を出た時にすぐお母さんに呼ばれた。
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